Stable Diffusionのinpaintを使用した初級修正術 【目次】
- ・Stable Diffusionのinpaintを使用した修正術
- ・inpaintを使うタイミング
- ・inpaintを使用した削除作業
- ・inpaintを使用した修正作業(アップスケール前)
- ・inpaintを使用した修正作業(アップスケール後)
- ・inpaintを使用した顔の修正と顔ガチャ
Stable Diffusionのinpaintを使用した修正術
私の使用しているStable DiffusionのWeb UIで、AIの生成したイラストをどう修正するのか?
今回はまず初級編として、Stable Diffusionの基本機能「inpaint」を使用した修正術を記事にします。
私も始めた当初はinpaintが全くわからず、ひたすら生成ガチャで良いのが出るのを祈る日々。
ネットで調べても「inpaintで修正」としか書かれておらず、「具体的には!?💦」と突っ込むことを何度も繰り返し。(;^_^A
チョコチョコとヒントを集め、やっと今の体系までになりました。
当時困った身としましては、需要はないかもしれませんがとりあえず残そうと思った次第です。
私がinpaintでやっている内容としては、
●余計な部分の削除
●手など破綻している部分の修正
●顔の修正と顔ガチャ
です。
inpaintを使うタイミング
inpaintを使って修正や削除をする場合、使うタイミングが結構重要となります。
結果だけを見れば、どのタイミングで実施しても変わりませんが、効率を考えると話は別です。
前述した作業のうち、
●手など破綻している部分の修正
●余計な部分の削除
は種を生成した後、アップスケール&精細化する前に実施しましょう。
理由としては、
●画像サイズが小さいので単純に処理スピードが速い
●大まかで荒い修正でもアップスケール&精細化の際にAI君がビシッとしてくれる
と良いことしかないからです。
どのタイミングでも作業自体は可能ですが、意識することで作業効率はかなり違ってきます。
inpaintを使用した削除作業
inpaintを使って多めの指や腕など、余計な部分の削除する方法を書きます。
正直、PhotoshopやLama Cleanerなど使えるのであれば、そちらの方が速い場合が多々あります。
私も基本はLama Cleanerを使用しています。
ただPhotoshopやLama Cleanerは画像情報から予測して消しているのに対し、inpaintは+プロンプトを見ていますので、消える時はinpaintの方が奇麗に処理してくれます。
これは消す面積が大きくなるほど顕著になります。
厄介なのは「消える時は」と書いたように、消えない時もあるからです…。(;´Д`A
若干ガチャ要素があり、意外に時間のかかる作業になりがちで、PhotoshopやLama Cleanerが使える人はそちらに逃げていく場合が多いです。(-_-;)
ただ、ちょこっとした削除ならinpaintの方が楽な場面もありますので、覚えておいて損はないです。
まず、inpaintへ対象の画像を転送します。
プロンプトが必要ですので、直接ドラッグ&ドロップではなく、種生成後であればt2iの「Send to inpaint」、外から読み込むのであれば「PNG Info」から「Send to inpaint」してください。
今回修正するイラストはこちら、腕が3本あります。
で、消したい腕をグリグリ~っとマスクします。
続いて削除設定ですが、このような感じです。
デフォルトから変えるのは基本的に赤枠部分です。
■Masked content
「fill」を選択します。
私自身これが何なのかは、いまだに良くわかっていません。(;^_^A
■Batch count
前述したように1発で消えるとは限らないので、保険の回数となります。
大体6もあれば消えますが、念のため「8」。
種の状態なら画像サイズも小さく時間もかからないため、10以上でも良いと思います。
■Denoising strength
デフォルトのままでも良いですが、私は大体「6」、消え難い時は更に数字を上げていく感じにしています。
ここまで設定したら「Generate」です。
はい、3本目の腕が奇麗に消えましたね。
今回は8枚中2枚が完全に消えていて、他はウェストポーチに書き換わったりとちょっと思惑と違った消し方でした。
消した後の背景も気にするのであれば、Batch count上げて選択肢を増やすのも手だと思います。(๑´ω`๑)
inpaintを使用した修正作業(アップスケール前)
inpaintを使って手など破綻している部分の修正など、イラストを修正する方法を書きます。
アップスケールなどを行う前と後では修正の意味が違いますので、分けて説明していきます。
まずはアップスケールなどを行う前、種の状態での修正方法です。
このタイミングでは後のアップスケール時に精細化と補正が望めるため、「形を整える」という意味合いが強いです。
まず、inpaintへ対象の画像を転送します。
プロンプトが必要ですので、直接ドラッグ&ドロップではなく、種生成後であればt2iの「Send to inpaint」、外から読み込むのであれば「PNG Info」から「Send to inpaint」してください。
今回修正するイラストはこちら。
男性の右手ですが、アップスケールしたとしても、ちょっと形が悪いかな…と思い、まずはそこを修正です。
修正したい腕をグリグリ~っとマスクします。
続いて設定ですが、このような感じです。
デフォルトから変えるのは基本的に赤枠部分です。
■Batch count
1発で理想形になるとは限らないので、保険の回数となります。
種の状態なら画像サイズも小さく時間もかからないため、いつも10以上を指定しています。
今回は修正の度合いから経験則で「14」を指定。
■Denoising strength
デフォルトのままでも良いですが、私は大体「6」、なかなか理想形にならない場合は更に数字を上げていく感じにしています。
ここまで設定したら「Generate」です。
はい、先ほどよりはより「顎クイ」らしいシルエットになりましたね。
次に気になるのは女性の足です。
大きさのバランスが悪いので、こちらも修正します。
ここで注意点として複数回のinpaintを実施する際は、毎回「×」をクリックしてクリアしてください。
これをしないと前回のマスクが残ったままとなり、せっかく修正した部分もまた書き換わってしまいます。
見た目上消えていても残っていますので、面倒でも毎回クリアすることをお勧めします。
先ほど修正したイラストを「Send to inpaint」で作業エリアに移し、修正したい足をグリグリ~っとマスクします。
設定は前回のままで良いですが、念のため書きますとこのような感じです。
デフォルトから変えるのは基本的に赤枠部分です。
■Batch count
1発で理想形になるとは限らないので、保険の回数となります。
種の状態なら画像サイズも小さく時間もかからないため、いつも10以上を指定しています。
今回は修正の度合いから経験則で「14」を指定。
■Denoising strength
デフォルトのままでも良いですが、私は大体「6」、なかなか理想形にならない場合は更に数字を上げていく感じにしています。
ここまで設定したら「Generate」です。
はい、足の長さと甲の長さのバランスが良くなりましたね。
で、これをアップスケールしますとこうなります。
概ね問題ない造形となりましたが、ここから更に修正したいと思います。
inpaintを使用した修正作業(アップスケール後)
inpaintを使って手など破綻している部分の修正など、イラストを修正する方法を書きます。
アップスケール前の修正は「形を整える」でしたが、アップスケール後の修正は「清書」です。
この後には誰も補正をかけてくれませんので、ご自身で修正したものがそのままイラストのクオリティとなります。
さて、先ほどアップスケールしたイラストですが、男の左手が気になる…。
形というより行先…どこに手を入れてるの!?(;´Д`A
先ほど修正したイラストを「Send to inpaint」で作業エリアに移し、悪いお手々をグリグリ~っとマスクします。
続いて設定ですが、このような感じです。
デフォルトから変えるのは基本的に赤枠部分です。
■Batch count
1発で理想形になるとは限らないので、保険の回数となります。
アップスケール後で画像サイズも大きくなっていますので、1回の時間が長くなります。
できれば10前後にしたいところです。
今回は修正の度合いから経験則で「12」を指定。
■Denoising strength
アップスケール後は、ここの数値が結構重要になってきます。
私の経験則から、数字別の用途から。
●3
元画像の形は維持しつつ、色の塗り方など質感を改善するときに使用。
加筆した後の仕上げに良く使います。
●4
元画像の形は維持しつつ、色の塗り方など質感を改善するときに使用。
3よりも強力に補正するため質感も良くなりますが、形が若干変わります。
加筆した後の仕上げや、アップスケール後で精細化が甘い部分を整えたい時に使います。
●5
元画像の大枠の構図は維持しようとするものの、形を変えてきます。
指が足りないので追加したいなど、構図は良いけど正したい部分がある時に使用しています。
●6
元画像の構図を尊重しつつも、大胆に形を変えてきます。
今回のように隠れている手の部分を新規に描き起こすような、大掛かりな修正を期待する際に使用しています。
●7かそれ以上
元画像クソ食らえ状態で、必要最低限のルールは守りつつAI君が気ままに修正します。
一部分が壊滅的に破綻しており手の施しようがなく、一か八かのガチャにかける際に使用します。
私はたまに7を使用します。
長くなりましたが、今回は経験則から「6」を指定しています。
ここまで設定したら「Generate」です。
はい、股間に行っていた腕が彼女の腕を掴む形になり、無事に不純な手を修正することができました。(;´Д`A
AI君がこちらの意図を汲み取ってくれて良かったですわ。(;^ω^)
inpaintを使用した顔の修正と顔ガチャ
inpaintを使って顔の修正と顔ガチャをする方法を書きます。
AI君は顔の面積が小さくなるほど、顔の描き込みをするのに手を抜きます。
顔がぼんやりしたり、潰れていたりと実用に耐えられないようなことも。
そこでinpaintを使用して再描画し、顔を精細化していきます。
先ほど手を修正したイラストですが、今度は顔の修正をしてみます。
こちらはそれほど悪くない状態ですが、まだまだ精細化が狙えますし、何より顔ガチャもしたいです。
顔の修正は顔を書き換えることであり、すなわち書き換えた分だけ新しい顔や表情が出来るわけです。
まだ見ぬ素敵なご尊顔が存在するかもしれない…その明るい未来を目指して、私はほぼ毎回顔の修正をするようにしています。
先ほど修正したイラストを「Send to inpaint」で作業エリアに移し、ご尊顔をグリグリ~っとマスクします。
マスクはそんなに厳密ではなくても良く、顔が隠れるように適当で問題ないです。
続いて設定ですが、このような感じです。
デフォルトから変えるのは赤枠部分です。
■Inpaint area
「Only masked」をチェック。
■WidthとHeight
ここはイラストのサイズではなく、書き換えを行う作業領域のサイズになります。
良くわからないと思いますが、イラストが正方形、縦長、横長関係なく、脳死で「512x512」一択です。
trust me、ですわ。
■Batch count
ここの数字分のイラストが生成されます。
要は選択肢をいくつ用意するか?です。
私は顔ガチャも兼ねているので「14」にしています。
512x512サイズで処理が走るので、処理自体は結構速く、大きめの数字でトライしても問題ないと思います。
電気代とイラストに対する愛情を天秤にかけて決めてください。(`・ω・´)b
■Denoising strength
「0.5」です、もう固定値ですわ。
これ以上にすると体が生えたり、顔の中にもう1つの世界が展開されたりします…。(;^_^A
ここまで設定したら「Generate」です。
はい、まずは男性側の顔の修正&ガチャが終了です。
続いて女性側の顔も修正&ガチャしてみます。
あ、複数人数の顔を修正する場合、必ず一人ずつ作業してください。
同時にやろうとすると100%失敗します。(;^_^A
では先ほど修正したイラストを「Send to inpaint」で作業エリアに移し、女性のご尊顔をグリグリ~っとマスクします。
設定は前回のままで良いですが、「Send to inpaint」するとWidthとHeightが画像のサイズに戻ってしまいます。
なのでWidthとHeightの修正を忘れずにしてください。
念のため他の設定も書きますとこのような感じです。
デフォルトから変えるのは赤枠部分です。
■Inpaint area
「Only masked」をチェック。
■WidthとHeight
ここはイラストのサイズではなく、書き換えを行う作業領域のサイズになります。
良くわからないと思いますが、イラストが正方形、縦長、横長関係なく、脳死で「512x512」一択です。
■Batch count
ここの数字分のイラストが生成されます。
要は選択肢をいくつ用意するか?です。
私は顔ガチャも兼ねているので「14」にしています。
512x512サイズで処理が走るので、処理自体は結構速く、大きめの数字でトライしても問題ないと思います。
■Denoising strength
「0.5」です、もう固定値ですわ。
ここまで設定したら「Generate」です。
はい、女性側の顔の修正&ガチャも終了です。
実際は今まで紹介した方法で細かいところも修正しており、やっと1枚のイラストが完成です。
以上、ハイさんのinpaintを使用した初級修正術でした。
何か響くものがあれば幸いです。(*´ω`*)